概要

ソフトパス理工学総合研究センター長 是永 敏伸

 

 岩手大学理工学部は、SDGsが謳われる前から、“有限な地球”という認識の下に持続可能な社会づくりのための新しい工学を「ソフトパス工学(Soft-Path Engineering)」と名付け、2009年に研究・教育の理念として掲げました。また、この理念の実現のために、2011年に「安全安心分野」「未来工学分野」「新素材・エネルギー分野」の3分野からなるソフトパス理工学総合研究センター(SPERC)を設置し、2015年からは「グローバル研究推進部門」と「イノベーション創出研究部門」の二つの部門が設置され、その下に複数の研究グループが配置されました。そして2024年度からは“真に融合的な研究分野の構築”というこれまでのセンターの理念をさらに強固なものとすることを指向した研究グループが配置され、これらの体制の下で各研究プロジェクトが開始されました。
 2025年度の理工学部改組では、データサイエンス教育と共にソフトパス理工学教育がさらに強化されるため、ソフトパス理工学の最先端研究を担う本センターの立ち位置はますます重要なものとなり、その理念に基づいた研究成果を広く社会に向けて発信することが責務となります。それに向けて、本センターに所属する教員個々が研究レベルを高め、同時に化学・生物・物理・材料・機械・電気電子・情報・環境などの各分野の研究者との連携を深めることで相乗効果を発揮するという研究活動を実施します。その結果から生み出される研究成果により、地方大学にありながら世界レベルの研究拠点の形成を目指します。