計算化学主導型分子設計研究グループ

研究代表者:是永 敏伸

目的

分子の高機能化に伴いその構造は複雑化の一途を辿り開発難易度は上がり続けているため、新分子開発に要する人・金・時間は増大し、地方大学では国際的な最先端競争が難しくなってきています。本研究グループでは、高度な量子化学計算技術を前面に押し立て、機能分子の特性や合成反応の本質を見極めた上で新分子設計を行なう“計算化学を主導とする機能分子の開発”を展開することで開発実験の効率化を図り、人的資源を補い、時間的競争力を高め、実験量の削減による環境に優しい研究を実施します。

構成員:4名(2018年4月現在)

是永 敏伸、 鈴木 映一、 村岡 宏樹、 葛原 大軌

研究概要

分子触媒設計(是永):
医薬品分子を効率的に合成する触媒反応に焦点を当てます。既知触媒反応の機構を遷移状態計算により解明し、そこで得られた知見を基に新触媒の理論設計、さらには計算化学を用いた性能予測の検証を行ない、実際に効率的触媒を開発します。

相互作用利用型分子設計(鈴木):
分子間・分子内の相互作用に焦点を当てます。化学現象を小分子の電子密度解析・NBO解析により解明し、その知見を新たな機能を持つ分子開発に生かすボトムアップ型分子設計を行います。

機能性分子設計(村岡、葛原):
有機半導体や有機センシング材料を含む高機能性有機分子に焦点を当てます。分子軌道計算などの計算化学を用いて機能性分子の理論設計を行ない、そこで得られた知見を基にその分子機能を検証した上で、実際に有用な機能性分子を開発します。

研究実績(2017年以降)

  1. Li, F.; Korenaga, T..; Nakanishi, T.; Kikuchi, J.; Terada, M.
    Chiral Phosphoric Acid Catalyzed Enantioselective Ring Expansion Reaction of 1,3-Dithiane Derivatives: Case Study of the Nature of Ion-Pairing Interaction
    J. Am. Chem. Soc. 2018, 140, 2629.
  2. Korenaga, T.; Sasaki, R.; Takemoto, T.; Yasuda, T.; Watanabe, M.
    Computationally-led Ligand Modification using Interplay between Theory and Experiments: Highly Active Chiral Rhodium Catalyst Controlled by Electronic Effects and CH–π Interactions
    Adv. Synth. Catal. 2018, 360, 322.
  3. Kuzuhara, D.; Sakaguchi, M.; Furukawa, W.; Okabe, T.; Aratani, N.; Yamada, H.
    Synthesis, Characterization and Protonation Behavior of Quinoxaline-Fused Porphycenes
    Molecules 2017, 22, 908.
  4. Matsumoto, A.; Suzuki, M.; Hayashi, H.; Kuzuhara, D.; Yuasa, J.; Kawai, T.; Aratani, N.; Yamada, H.
    Studies on Pyrene and Perylene Derivatives upon Oxidation and Application to a Higher Analogue
    Bull. Chem. Soc. Jpn. 2017, 90, 667.
  5. Takahashi, K.; Shan, B.; Xu, X.; Yang, S.; Koganezawa, T.; Kuzuhara, D.; Aratani, N.; Suzuki, M.; Miao, Q.; Yamada, H.
    Engineering Thin Films of a Tetrabenzoporphyrin toward Efficient Charge-Carrier Transport: Selective Formation of a Brickwork Motif
    ACS Appl. Mat. Int. 2017, 9, 8211.

リンク

岩手量子化学計算研究会