研究代表者:脇舎 和平
目的
3d遷移金属・希土類化合物では、それぞれがもつ3d電子や4f電子により特有な強相関現象が発現します。本研究グループでは、構成員が有する新物質合成・超音波測定・ラマン分光・高圧力下物性測定などの研究手法を結集し、強相関電子材料に関する領域横断的な研究を行います。これにより、強相関現象を利用した機能性エネルギー材料の開発とその機能性発現機構の解明を推進します。具体的には、新奇超伝導、マルチフェロイクス、光触媒、磁気冷凍・蓄冷材料などのエネルギー材料の開発に取り組み、持続可能な社会発展への貢献を目指します。
構成員:4名(2022年7月現在)
脇舎和平、谷口晴香、中西良樹、中山敦子
研究概要
- 水素の運搬・貯蔵に関する研究
- 可視光応答型光触媒
- マルチフェロイクス材料
- 新奇超伝導材料
水素の高効率冷却を可能にする希土類や遷移金属を含む磁気冷凍・蓄冷材料の開発や、高圧下で固体と水素が共存した状態における水素の挙動の微視的解明を行います。これにより、次世代エネルギーと目される水素の貯蔵運搬の高効率化に関する研究を推進します。
光触媒は有害物質の分解や水分解に応用可能な次世代エネルギー材料として注目を集めています。この研究テーマでは、f電子の価数揺動状態が関与した可視光に応答する新奇な光触媒の開発とその発現機構解明を行います。
磁性と強誘電性の交差相関やひずみと磁気・電気伝導の相関を利用した、エネルギー変換素子などに応用可能なマルチフェロイクス材料の研究を行います。
d電子やf電子のもつ磁気・軌道・価数の自由度が関与した、従来型超伝導と比較して高温・高磁場下でも機能する新奇な超伝導体の探索とその発現機構の解明を行います。